写真はサマーカットですっかり子熊になったイブちゃん。
さて、表題の件ですが、私は5年前まで某エステサロンに勤めていました。
もともと整体をやっていたこともあり、もみほぐしが出来たので、もみほぐしも出来るエステセラピストとして、お店側からは重宝されていました。
お客様にも喜ばれ、「癒しの仕事」は本当に自分に合っているなと毎日楽しんで、お仕事をしていました。
話は逸れますが、今、格安のもみほぐしのお店がすごく増えていますよね~。
大本の体のことを思うと、私はもう、もみほぐしはおすすめできません……。
ここからの話は、当時もみほぐしをしていた自戒も込めて、書いていきます。
エステで働いていたある日、もみほぐしのお客様が「坐骨神経痛がつらい」と来店直後におっしゃいました。
坐骨神経痛とは、脊柱を通って腰椎の間から出てくる坐骨神経(おしりや太ももの裏を通って足の方に伸びていきます)が何らかの理由で圧迫されることによって起きるしびれや痛みの症状です。
お尻の深い所にある梨状筋や太ももの裏をゆるめる、というのが坐骨神経痛に対して、もみほぐしができるメジャーなことです。
当時の私も、やはり、臀部や太もも裏を念入りにマッサージした訳です。
施術が終わり、お客様は「ありがとう、楽になった気がするわ」とおっしゃって下さいました。
でも、私は知っていました。
このお客様が日によって楽な日はあるけれども、ずっと坐骨神経痛に悩まされていて、一生付き合っていくしかないと半ば諦めていらっしゃるということを。
そもそもですが、もみほぐしは肩こりなどのコリに対して、力をかけてほぐしていこうというものです。
しかし、トンカツのお肉じゃあるまいし、叩く、揉むなどの刺激で、生きている人体が本当に柔らかくなるのだろうか。
さらに、肩こりを起こしている個人個人の根本の原因は違うのに、もみほぐしという同じやり方で施術をするのはいかがなものだろうか。
ここで、今までの私のもみほぐしアイデンティティが崩れてしまったのです。
そこからはひたすら整体の研究、模索が続きました。
私の目標は、コリがあったら揉む、ほぐす、等のやり方ありきの整体ではなく、個人個人の体の痛みやコリの根本原因を発見、改善できる整体でした。
その為には、骨盤がゆがんでいるとか、足の長さが左右で違う、とか見た目の不均衡を力で解決するのではなく、もっと繊細に体を捉える必要があると思いました。
しかしなかなかどうして、私の目標になりそうな整体が無いのです。
大抵は、体のゆがみや患部を、力や電気等の刺激を加えて矯正する、というのが巷の治療院や整体スクールの主な考え方、その手法なのでした。
そこで整体関連の本を片っ端から読んでみましたら、操体法という面白い手法を見つけました。
操体法の他の整体と大きく違う点は、可動が狭い方や痛い方を外圧で刺激するのではなく、体を楽な方や気持ちよい方へ動かすという点です。
大抵、ストレッチや体の左右の可動性を調べた後は、伸びづらかった方や可動が小さい方を刺激したり動かしたりして、左右の均等をはかるものです。
でも、操体法は真逆です。
不快だと思う方から気持ちよいという方向に動かすと(この時に少し抵抗を加えてあげると尚良い)、可動が小さかった方は大きくなり、不均衡があった体の左右差も小さくなるのです。
試しに自分でありとあらゆる所を操体法で動かしてみました。すると、面白いことに、楽な方に動かしているのに、可動が広い方を動かしているのに、体の不均衡が整っていくのです。
これは目からウロコでした。
そこから、私の整体観は以下のようになりました。
『体は痛いところ、動かしづらいところを刺激しても根本改善にならない。
むしろ気持ちよいと感じている時に、自発的に整えられるものだ。』
ここで、もみほぐしという整体の選択肢は綺麗サッパリなくなりました。
肩こり等の不調を外圧や刺激で根本改善させることは不可能だし、もっと言ってしまえば、力での施術は揉み返しや内出血などのお客様の体を痛めてしまうリスクがあります。
また、同じように見える頭痛や肩こり、腰痛でも原因は千差万別です。
体にできるだけ刺激を与えず、1人1人の原因をつきとめられる整体は無いものかと、また、模索の旅が始まりました。
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