節分を終え、今日は春の嵐です。
温かい風がとても強く、土けむりが舞っています。
さてさて、本日のタイトルに、「春は身体の生理」と書きました。
女性の生理は、骨盤が右から広がりゆるむ所から始まります。
1月後半くらいから、同じ動きが身体の中では始まります。
骨盤が右からゆるみ、それに合わせて頭部、首、胸と春にむけて身体が開いていくのです。
とは言っても1年の間の骨盤の開閉というのは、目に見える範囲ではとても微々たるものです。
特に男性は、感じづらいかもしれません。
ただ、女性は排卵、月経によってひと月でもダイナミックに動きますし、妊娠・出産でもとても大きく動きます。
月経に関する感情の波や、妊娠・出産による心身の変化を考えると、骨盤の動きがいかに生活に影響を与えるかは、よくお分かりになって頂けると思います。
春は女性の月経でいうところの、開始1日目から月経量のピークが終わるあたりの3、4日目くらいの心身状態です。
月経時の体調やメンタルは個人差がありますが、体調万全!という方はなかなかいないのではないでしょうか。
なんとなくだるかったり、
許されればずっと眠っていたいような、眠気があったり、
行動を起こしたいけど、思うようにいかないイライラがあったり、
ずっと引きこもっていたいようなブルーな気分だったりと
何かと不調を感じるのが多い時期かなと思います。
これは、骨盤が広がり身体が変化していく過程では起こってしまうことで、決して、その方本人が怠けものだったり、感情的だったり、鬱だったりする訳ではないのです。
家事や育児、仕事、日常生活をいつもと同じペースでやろうとしても、思うようにいかないのは当たり前のことなのです。
通常の月経では、生理開始から3、4日やり過ごせば、徐々にいつもの健康状態に戻れます。
しかし、厄介な春という時期は、この生理開始から3、4日までの心身の状態が、常に薄くつきまとっているような状態です。
そして、そんな時に限って、仕事の年度の締めくくりであったりとか、人事異動であったりとか、子どもの入試、卒業、入学、進級であるとか、環境の大きな変化や踏ん張り所が続きます……これは結構きついものがありますね。
心身状態が万全じゃないのに、頑張らざるを得ない状況に置かれている時に、人は胸部をかたくして頑張ります。
または、ぐっと歯や顔をこわばらせて、首から肩に力が入りっぱなしになったまま、感情を頭にいれずに黙々と頑張ります。
身体は骨盤を含め全体が開きたがっているのに、環境がそれを許さないというジレンマ状態になる訳です。
ここで唐突ですが、皆さん、ジャムの瓶のふたが開かない時ってどうしますか?
もーう、ありったけの力をこめて力づくでなんとかしようとするか、コンロの火にあててふたを温めてゆるめたりとか、色々試行錯誤されたりすると思います。
そして、身体も自身をゆるめ、開いていく為に色々と試行錯誤します。
その中の1つが、炎症です。
免疫反応を上げて、熱や排せつを起こすとそこはゆるみやすくなります。
お腹の風邪をひいて、熱や下痢している途中は身体の力が抜けてふらふらになりますよね、あんな感じです。
先ほど書いたように、頑張らないといけない環境では、顔、首、肩、胸部など身体の上部が開かないジャムのふたのように固くなっています。
これをゆるめて開くために、身体は免疫活動を活発化し、炎症を起こす原因をキャッチします。
その炎症を起こせる絶好のきっかけになるのが、春の場合は花粉なのです。
鼻水をたくさん出した後、大きなくしゃみをした後は、胸が広がるような爽快感やさっぱり感がありますよね。あれは、身体がゆるんでいる合図です。
目や鼻がかゆいのは確かにツライのですが、常に微熱っぽく、ぽーっとしているような花粉症独特のあの感じは、「もうこれ以上、頑張るなよ~、ゆるくいこうぜ~」という身体からのメッセージかもしれません。
また、花粉症の他に、パニックや鬱などのメンタル不調をお持ちの方で、春に悪化することがあるようです。
上記のように、環境の変化、気温の変化など心身をとりまく環境が大きく変化するということも大きく関わっていると思いますが、整体の現場から見ると、メンタルの不調をお持ちの方は胸部が強く詰まっている方がとても多いです。
メンタルの不調を抱えやすい方はもともとの持っているエネルギーが人より多く、そのエネルギーが凝縮される勢いやスピードが大きく、速いと個人的には感じます。
これが良い面に活かされると、仕事や日常生活がとてもテンポよく滑らかに行われるのですが、心身を停滞させる方向に凝縮されてしまうと、自身の生活が脅かされるところまで追いつめられてしまうのです。
そのピークが発作だったり、すさまじい躁鬱だったりする訳なのですが、上記の胸部の詰まりをほどくと、発作を起こす頻度が減ったり、症状が軽快することがあります。
実際、指から胸部の詰まりをほどいたことで、メンタル不調のお薬が減った、という嬉しいお言葉をお客様から頂いたことがあります。
この胸部の詰まりというのは、人によって場所は異なり、みぞおち近くの一か所だったり、ほんの指先くらいの大きさの詰まりが胸骨や肋骨に点在したりします。
また、ほどく手がかりになるのも、手の指からだったり頭の一部からだったりと、全く人によって違います。
面白いのは強く押したり触ったりするよりも、ちょっと手を離したり角度を繊細につけることで、詰まりが劇的にゆるむ、ということです。
特に、もともと持っているエネルギーが大きな方の詰まりは、ゆるむ時の反応も大きかったりします。
ご本人の体感もつきやすいです。
とにかく、「ゆるむ、開く」がキーワードの春の身体。
この時期を無理せず、身体の声を聞きながら、ゆるく過ごすことが不調を減らす第一歩となりそうです。
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