うちには毎週可愛らしいヤクルトレディの方が来てくれます。
その方が先日、「Cosmosさんて、産後の骨盤矯正とかやってるんですか?」と質問して下さいました。
今日はこの質問にお答えする為に、まずはCosmosの骨盤に対する考え方を明らかにしたいと思います。
巷には産後の骨盤の歪みを正します!という名目で、骨盤周囲をメインに刺激したり固定したりする施術を行う整体屋さんがとても多いです。
骨盤の歪み=腰痛、体型のくずれなどの原因という考え方が当たり前のようになっており、骨盤だけがやたらクローズアップされ、力をかけたり器具で引き締めたり、均等を図ろうとする施術が多いのです。
私も20代の頃、とある接骨院さんで、『骨盤矯正』の施術を受けたことがあります。
骨盤の左右の不均等を確認した後、ベッドで両足をゴム状のもので縛り、振動する機械を腰やお尻にあてた後、ストレッチしたり、股関節周りを運動させる、というものでした。
確かに、施術直後は左右の不均等が改善されました。
でも、その後、肩こり等の全身症状が良くなったかと問われれば、正直、体感としては感じられませんでした。
この、骨盤の歪みは悪とする考え方の一番の問題点は、骨盤を「動きの無い、固定化したものとして見ている」ことです。
しかし、骨盤はいつも左右均等で、一切の歪みなくそこに存在するのが正しいのでしょうか?
ここで1つ、ご自身の身体の動きに着目して頂きたいと思います。
下に骨盤の図を載せます。
この図をちょっと見て下さい。
黄色に塗られている腸骨の上端部分は、ご自身でも触って頂ける骨です。
腰に手を当てて、かーっと飲み物を飲む時に手をかける腰の部分、またはベルトが引っかかる部分、大体その辺りが腸骨の上端です。
そこを左右とも両手で触って、立ってみて下さい。
足は軽く開いてもらって構いません。
軽く息を吐いた後、そのままゆっくり鼻から下腹にむかって、ゆっくり、深く、息を吸います。
そうすると、手を当てた腸骨の部分が吸う息に合わせて広がっていくのが分かります。
息を十分に吸って腸骨が広がり切ったのを感じたら、そのままゆっくり鼻から息を吐きます。
そうすると、腸骨がしぼんで、元の位置に戻っていくのが感じられます。
このように、呼吸1つとっても、骨盤(周辺の靭帯や筋肉)はゆるやかに、常に動いているものです。
その他にも、骨盤は、生理、出産でも左、右と別々に動きますし、季節によっても動きます(春から夏にかけて開きやすく、秋から冬に向かって閉じていく)。
そして、何といっても、気持ちの波に応じて動きます。
緊張や興奮など、ストレスがかかる場面では、骨盤は縮みます。
主に、仕事に追われている時、時間のない中で行う家事や育児など日常生活のONの時は、集中力を高める為に骨盤は縮むのです。
骨盤が縮めば、肩もいかり気味、もしくは前傾し、顔もきゅっと引き締まっていきます。
反対に、リラックス時や脱力時は、骨盤がゆるんで広がります。
休憩時にほっと一息つける時や、ごろーんと寝転がって休める時などもそうですし、大切な人やペットを亡くすなど喪失感で何もやる気が起きない時などは、骨盤が広がっています。
骨盤が広がれば、肩が落ち、顔も少し間延びした感じになります。
『心身は不可分である』というのは、これからも繰り返し扱っていきたいテーマでありますが、上記の通り、心の状態で骨盤は動き、それに合わせて全身が変化しているのです。
ここで、最初の疑問に戻ります。
骨盤はいつも左右均等で、一切の歪みなくそこに存在するのが正しいのでしょうか?
ここまで読んで下さった方は、それは違うと、ご理解頂けると思います。
大切なのは、骨盤を動きあるものと認め、その動きがスムーズに行われる身体に整える、ということです。
産後の骨盤の開きを気にして常に引き締めることに注力されている方もいますが、ベルト等の外圧で骨盤を締めっぱなしにしていると、骨盤が広がりにくく全身がリラックスできない状態なので、気持ちが緊張状態で休むことができません。
貴重な睡眠を深くとることもできませんし、イライラしがちです。
また、生理が再開している場合、生理は骨盤の左側のゆるみやすさが鍵なのですが、このゆるみが上手くいかず、生理痛が起きやすい状態となります。
因みに、Cosmosが骨盤を含めたお身体全身に対して、どのようにお役立ちできるかというと…
愉和法の全身調整を受けたお客様の感想として多いのが、「立ちやすい」とか「力をいれずにスッと立てる」という言葉です。
これは、全身から整えることで骨盤があるべき位置に収まったことによりそのような体感が出るのですが、私は施術に一切の力を使っていません。
次回のブログでは、愉和法でどのように骨盤の動きがスムーズに行われる身体に整えるのか、というところを書きたいと思っています。
このブログの続き→「骨盤を見る為に、全身を見る」
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