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意外な真犯人、古傷

 

最近、施術をしていて改めて思うのは、骨折・打撲・突き指・事故などで負った古傷が、いかに大きく身体に影響を及ぼしているか…ということです。

 

元々は自分の体験も含め理解はしていたのですが(過去ブログ参照:閃輝暗点と頭痛雨の日に古傷が痛む)、これほどまでとは、という思いです。

 

もちろん、誰もが好きでケガをしたり事故に遭ったりする訳ではありません。

 

しかし、前に丸め込まれた肩が足の骨折跡に引っ張られていたり、身体全体が右に倒れるような歪みがあるのが、右手の突き指跡に向かって引っ張られていたり、過去のムチウチ跡から背中痛や腰痛が緩和されたりするのを見ていると、もう少し古傷に関して皆さんが意識して下されば(ボディワーカーや医療関係者も含め)、飛躍的に身体が良くなるきっかけをつかめるのでは、と思います。

 

 

それはお客様が必要以上に、自分の身体を悪者にしなくて良い、ということでもあります。

 

私は施術前にお客様に立ってもらって、骨盤の位置や鎖骨や肩の左右差を見させて頂くのですが、初めてのお客様は、

 

「きっとすごく骨盤が歪んでいると思います…」

「普段から猫背で姿勢も悪くて、恥ずかしいです」

 

など、いざ人に見せるとなると、自分のお身体を後ろめたく感じている方が多いのです。

 

しかし、図のように元々身体がどこかに引っ張られているとしたら、身体に一切の歪みなく立つことは困難です。

 

そしてこの引っ張りの真犯人が過去の古傷(またはその引っ張りの均衡を保つ為の別の場所)であることは非常に多いのです。

※もちろん100%ではありません。

思考グセ、身体の元々の傾向、あとは仕事を含め特定の部位を酷使する方、視力が悪い方、目を酷使する方などはまた違う要因が絡んできます。

 

 

古傷の方に引っ張られた状態で、姿勢が悪くなってしまうのも、骨盤が歪んでしまうのも仕方ないことです。

 

それはご本人の意志の力ではどうしようもなく、痛みの原因=自分の姿勢や身体が悪いというのは無理があります。

 

必要以上に自分の身体を悪く思わず、「どうして身体が同じ方ばかりに傾きやすいのだろう」とか「どうして同じ部位ばかり痛みやすいのだろう」と考えると、遠く離れているように見える古傷方向に引っ張られてはいないか、と考える余地があるということです。

 

 

ちなみに、古傷を忘れられている方は結構います。

 

指摘されて初めて、「ああ、そういえば突き指してました」とか「ああ、そういえば小さな頃、階段から落ちて頭を打ったことがあります」などおっしゃる方もいますね。

 

また、ご自身が産まれる際の難産で頭にこわばりが出来ている方もいます。

 

しかし、これはお母さんに「あなた難産だったのよ~。頭が途中で引っかかってね~。」みたいなことを言われなければ、覚えているはずもありません。

私もこれに関しては、可能性をお伝えするだけで断定はしていません。

 

ただ、やはり身体は覚えているのだなあ、と古傷に関する身体の記憶の正確さに驚かされることは多いです。