· 

魔女の一撃に遭いました

西洋では、ぎっくり腰のことを『魔女の一撃』と言うそうです。

 

そう…

それはある日突然やってくる…

 

とうとう、私も生まれて初めて魔女に一撃されました。

 

お客様のぎっくり腰のシチュエーションを聞くと

 

「ある朝、急に起きられなくなっていた」

「重いものを持ち上げようとして」

「トイレの蓋を開けた瞬間」

 

など、日常の動作の中で急に起きるもののようです。

 

私の場合、入浴後に風呂蓋を持ち上げた時でした。

 

「ぎゃっ!!」とさくらももこ作品のような悲鳴をあげ、素っ裸でうずくまる私…

 

そこから1歩も動けず、一緒に風呂から出ようとしていた4歳息子は「ママ、大丈夫?」と。

 

私「うん、ママね、腰が痛い痛いになっちゃって、ちょっと立てない…」

息子「僕にまかせて!」

 

裸の母の腰を撫でてくれる息子。

優しさが身にしみますが、姿勢を変えようとするだけで激痛が走ります。

 

とにかく風呂場から脱出しなければ…這うように風呂場を出ます。

 

母の緊急事態を察した息子は、自分できちんと身体をタオルでふいて、自分でパンツとパジャマを着ました。

普段の風呂上がりは自分で身体をふきませんし、放っておけば裸でいつまでも遊んでいます。

 

その上、「ママ、ゆ~っくり歩くんだよ。」との適切なアドバイス。

なんだ、ぎっくり腰は息子を成長させる為の魔女の粋な仕業だったのか…

 

その後なんとか服を着て、息子を寝かしつけ、痛みが気になって眠れず、ベッドから起きるのに数十分を要しました。

 

1歩1歩ふみ出す度に、身体の中央をズッキーンと痛みが響きます。

その度に動きを止めながら、段々、どうすれば痛みが出づらい動きができるのか、身体が覚えていきます。

手で身体を支え、膝を使い、腰をいかに動かさないで済むか、を体得していくのです。

 

でも明日も普通に仕事があります。

どうしましょう?

あなたのお仕事は?

整体です。

……そう、整体です!

 

そうだった、整体できるんだった。

自分の不調は今までケアしてきたのに、あまりの痛みに忘れていました。

 

ゆっくりゆっくり、手が届かないところは足指を使ったり色々工夫しながら、自分の身体を施術していきます。

上手く動けない為1時間以上かかったでしょうか、肋骨から腰にかけての筋肉がゆるみ、緊縮していた骨盤内の空間が出てきたのを感じます。

 

そのまま安静にして2時間ほど、立つのと歩くのはほぼ痛みなくできるようになりました。

 

それから数日経ちますが、とりあえず今のところ経過は良好です。(そして1週間後、痛みは嘘のように消えました。)

無意識に腰をかばって、膝や太ももを使うので、脚の筋肉がつきました。

 

息子と脚の筋肉の成長は嬉しいけれど、できればもう魔女の一撃はくらいたくないものです。