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1滴1滴が染み込んで身体が変わる

ああ、身体主体の整体って本当に面白いなあと感じた最近の出来事。

 

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今月に入ってから、咳の症状が出始めました。

 

きっかけは新しいタイルカーペットを切ったり、並び替えたり掃除機をかけたりした時に微細な繊維を吸ったことからで、その日はなんだか喉がずっとチクチク…

 

やがて夕方から咳が出るようになり、日を追うごとに咳が沢山出るようになってしまったのです。

 

私は花粉症状も咳として出るので、花粉も関係あったとは思います。

 

でも1週間以上たっても咳はとまらず、むしろ悪化する一方。

喉の痛みはほとんど無いのに、夜も途中で起きてしまうほど咳だけが出て、だんだん気管のあたり胸も痛くなっていきます。

 

さすがに不安になって呼吸器科に行ってドクターに話すと、心配だからレントゲンを…とのことで胸のレントゲン撮影をして診て頂きました。

 

しかし、気管支炎や肺炎などの異常は特に無し、発熱も一切なし、胸部の異音もなく全く正常なのです。

 

咳止めと炎症を抑える薬を頂いて、帰路につきました。

 

 

ところが、ですねー。

私はできれば咳止めは飲みたくないのです。

 

咳は苦しいけど、身体に必要があって症状が出ているのに、それを薬で抑えるのに抵抗を感じてしまうのですね。

 

しかも異常が無いなら、なおさら飲む必要性を感じない。

 

そんな折、ふと鏡を見てみると身体の変化に気が付きました。

 

実はこの3年ほど、私の胸鎖関節(首の下のぐりぐり。鎖骨の出発地点)の位置は左右で高さがそろっていませんでした。

 

1.5~2センチくらい、左の方が上に持ち上がっていたのです。

(胸鎖関節の1.5~2センチの左右差は、はっきりと見た目で分かるレベルです。)

 

整体をやっている身として、鎖骨がそろっていないことは、なんとなく医者の不養生のような、後ろめたさを感じていました。

自分でできるケアをあれこれやってみても、鎖骨がそろうことはなく、無力感をおぼえたこともあります。

 

しかし、鏡で見ると、鎖骨の位置がそろってきていました。

まだ完璧ではないにしろ、明らかに、左の胸鎖関節が下がってきている。

 

 

これを見て、ますます咳止めを飲むことはやめました。

身体の自己調節を妨げてはいけない、むしろ薬でどうにかしようなんて冒涜のように思いました。

 

その後、面白いことが起こりました。

 

咳は相変わらず出るのですが、左胸が明らかに広がっており、身体の左半身の可動が広がっています。

 

また、普段寝る時、私はベッドの端に横向きで寝るのが安心するのですが、咳が出ている期間、なんとなく横向きは苦しくて眠れないのです。

上向きで手を小さくバンザイさせる姿勢、もしくは愉気(軽く手を当てること)するように軽く手を胸に当てる姿勢が落ち着いてよく眠れました。

 

2つとも鎖骨、そして胸を開く姿勢ですね。

変化している胸部を尊重するように、その姿勢だと眠れるのです。

羽化したセミやトンボが、できたての柔らかい羽をじっと伸ばしている…そんなイメージが頭に浮かびました。

 

そうして、2週間以上出た咳はおさまり、胸鎖関節の位置はほぼキレイにそろいました。

 

鎖骨がそろう(変位の制限がなくなる)とどうなるか…

 

腕がとっても動かしやすいです。

 

腕って肩から下の部位、という認識が一般的にはあると思うのですが、私は鎖骨から腕だと思ってます。

試しに腕だけ動かそうとするのと、鎖骨から動かそうとするのでは、鎖骨からの方が動きがより大きくしなやかにできますよ。

 

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で、ここまで話がとーっても長くなってしまったのですが、ここからが今日の本題です。(えっ)

 

今回、私の身体に起こったことは、今まで愉和法を含め身体を尊重する整体を受けたり施術したりしてきたから起こったことだと思っています。

 

セミナーでペアになって練習したこと、セミナーが終わっても練習会で各々の身体を見たこと(整体練習会←このブログに書いた練習会の時、身体の左側は大きく変化しました)、その後も清水先生に身体を見て頂いたこと、お客様に施術すること…その時点で、明確な変化が出ないことがあっても、1滴1滴染み込むように、身体はどこか変化をしているのです。

 

それは『身体を変えてやろう』という思いやエゴがないほど届きやすく、その時点での変化のもっと先、いつか起きる変化の為の呼び水、小さなノックのようです。

 

身体には施術者の意図では動かしがたい意思、タイミングがあります。

 

そのタイミングが来た時にスムースに変化できるように、うまく時機がつかまえられるように、その時の変化だけに気をとられずに身体のペースを尊重できる施術者でありたいですね。