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なぜ身体の先端からの整体なのか②~体を立体的に感じてみる~

 

去年の4月にこんなブログを書いていました→『なぜ、身体の先端からの整体なのか』

 

今回はこの記事に対しての追記といいますか、経験を積んで分かってきたことについて書いてみようと思います。

 

整体、そして愉和法を学んでいる方にも参考になるのではないかなぁと思っています。

ご興味あれば読んで頂けると嬉しいです。

 

 

 

まず、私の行っている整体は愉和法(ゆわほう)という手技で行っています。

 

端的に申し上げますと、手や足の指先や頭部など身体の先端を起点とし、あらゆる関節や筋肉のこわばりを訓練した手の感覚で的確に探り、優しく触れてほどいていくものです。

 

触れ方は、野口整体の愉気(意図的なものを込めずに、天心で触れる)と通じるものがあります。

 

何か気を送ったり、治そうという意図を込めたりはしません(寧ろそれは施術の阻害になります)。

 

身体のこわばり部分は触れていると、共鳴するような手ごたえがした後に収束します。

 

それを全身に的確に繰り返していくと、押す・揉む・引っ張るなど外的圧力を身体にかけなくても、身体の歪みがとれ、全身のあらゆる痛みや、だるさなどの不定愁訴、胃腸の不良といった内臓系の不調まで改善されていくことが多いのです。

 

 

 ところで、私は施術前は必ずお客様に立ってもらって、身体全体のバランスを把握しています。

 

見るポイントとしては、骨盤の左右差・旋回はないか、鎖骨の起点のずれや肩の上がり方の左右差はないか、手をだらんと下ろした状態で、どちらかの手が身体の前に出ていないか、などです。

 

 

鎖骨や肩が上がっている場合は、頭部の方にこわばりがあり、そこに向かって引っ張られている場合がほとんどです。

 

また、どちらかの手が身体の前に出ていたら、それは手の指に向かって身体が引っ張られています。

 

 

つまり、最初に身体を把握しておくと、身体のバランスを乱しているこわばりのポイント(施術の起点)の目星がつけられる訳です。

 

 

イメージしやすいように、下のような画像を最近は使用していますが…

 

身体のこわばりのポイントはこのように引っ張る力となって、全身の筋膜バランスを乱し、痛みや不調の原因となっています。

 

しかし、しかしです。

 

施術していると、例えば「頭を起点にするだけ」「手の指を起点にするだけ」というどこか1点だけを起点にする、というのはまず無いです。

 

さっきまで頭部からだったのに、次は足の指から、次は手の指から、と身体のバランスはみるみる変わり、必ず頭・手・足の3点全てから全身を整えることになります。

 

 

これは何故でしょうか?

 

 

これは、生きている身体のバランス取りの結果だと私は思っています。

 

 

例えば頭のこわばりがあるとして、そこに引っ張られ続けたら、身体は持ちこたえられずに倒れてしまうでしょう。

 

必ず、頭部に向かう引っ張りに対抗する、手や足のバランス取りを身体はしています。

 

また、例えば、右手指の方に引っ張られているのを、左後頭部でバランスをとっていたのだな…等、施術をしていると、前後左右で、その立体的バランスを感じることができます。

 

 

よく、人体は骨格や内臓、筋肉が入った革袋と喩えられますが、手・足・頭部といった先端は先端同士で力の均衡をはかっています。

 

また、肋骨周囲の筋肉の可動が悪くなり内臓の不調として出るケース、腹直筋が硬くなっていてそこに向かって引っ張られる為に起こる腰痛など、胸部や腹部の筋肉も関節を介して先へ先へと辿っていくと、必ず身体の先端にたどり着きます。

 

このように、全身のバランスの調整点は、身体の先端に集束していくこととなるのです。

 

 

痛みの代表例として、肩こり、腰痛などが挙げられますが、肩や首だけ、腰や股関節、骨盤だけをいじるやり方は、私からしてみると、人体という革袋の局所だけを、ぐいぐい押しているように見えます。

 

強い力でいじられればいじられるほど、革袋は歪みが増したり、その局所だけ良くなっても他のバランスがとれていないことが多いでしょう。

 

痛みがある場所のもっと先から、革袋の端っこの1つの小さなしわから、全身のアンバランスを根本的に調整していく。

 

Cosmosの全身調整では、そういうことをしています。