前回は更年期の起こるメカニズムや症状、こういう気持ちでいられると楽ですよ~というお話でした。
今回は女性の身体の節目であるこの時期に、整体ではどんなことができるのか、ということを書いていきたいと思います。
前回の記事で触れましたが、更年期の期間中(閉経前後の10年くらい)に、2年ほど大きく骨盤がゆるむ時期があります。
これは閉経の前にその状態になる場合と、閉経後になる場合と、その方によって違ってきます。
骨盤の広がりの程度は産後ほどではありませんが、月経の時よりは広がりっぱなしになります。
2年の内の最初の半年ほどで徐々に緩んでいく為、特に最初の1年は足腰に力が入りづらい、物忘れをしやすくなった、テンションが上がらない(落ちこみやすい)、など身体の変化に戸惑うことが多いです。
また、骨盤がゆるむことは、身体のお掃除につながるので、普段便秘気味だった方がお通じが良くなったり、月経がある方は一時的に経血量が増えたりと、排出方面に進む方もいます。
ところが、上手く骨盤がゆるまない、ひいては骨盤から波及する全身のゆるみが上手くいかない方が多いのです。
骨盤の可動の鈍さは、足首・手首の可動の狭さと頭皮のかたさを見れば分かります。
特に現代人はストレス過多とPCとスマホが生活の一部ですから、目の疲れ、そして頭部がかちかちになっている方が多いです。
※骨盤と頭部(顔)は、見た目でも分かりやすく連動しています。
骨盤は左が縮みやすいという性質を持っているのですが、顔の左半分が右に比べてきゅっと引き締まっていたり、左の唇の端が上に持ち上がっている方が多いのは、このためです。
この図は以前、骨盤矯正はナンセンスであり、骨盤を正すには全身から原因を探そう!という記事を書いた時に、私が描いた絵です。
ホントに絵心が無くて心苦しいのですが、
骨盤の変位、例えば骨盤が上に持ち上がったり、前に回旋したりするのは、頭部や顔周囲がかたくこわばっていて、そこに向かって引っ張られてしまうからだ、ということを書きました。
そう、目の酷使や疲労による頭部や顔のかたさは、骨盤、ひいては腹、胸部を上に持ち上げる力につながります。
この状態になると、骨盤は広がりたい時に上手く広がることができません。
月経がある場合は生理痛、イライラ、身体のあちこちの痛みにつながります。
腹部のかたさは慢性疲労や不眠、腰痛、冷えや腹部違和感からの過食(食欲不振の場合もある)につながります。
胸部が上に持ち上がると、上手に息が吐けません。
酸欠、パニック、どうしようもない不安感などにもつながります。
これらの幅広い症状の原因に、頭部や顔の硬さやこわばりがあるのです。
ここまで書いてみると分かって頂けると思いますが、現代女性の身体の調整には頭部の調整がキモになってきます。
ただ、顔や頭部の調整は、ご自身で出来るものもありますが、難しいことも多いです。
まず、手を上げている状態ではリラックスしづらいし、首や肩が痛い、重い方は、後頭部に手を回すのが苦痛である場合があります。
Cosmosで行っている整体は、リラックスして身体の力を抜いて頂いた状態で、的確にお1人お1人の頭部やお顔のこわばりポイントを見つけていきます。
例えば、前頭部やお顔の1点から、お顔全体、胸部をゆるめていくと、視野が広くなったり、呼吸が深くできるようになったり、身体の前側がゆるみ、過緊張で上がっていた骨盤も元の位置へ戻っていきます。
後頭部の1点から首、肩甲骨、後背部をゆるめていくと、今まで気づかないで入っていた力が抜けたり、骨盤の上へ向かう緊張が取れることから、重心が落ちてしっかりと安定して立てるようになります。
これらは、更年期特有の心身の不安定な状態にも効果的に働きかけます。
一般的に骨盤の動きがある時、例えば産後や春、更年期はお身体の調整に適している時期です。
特に更年期の時に一回骨盤が大きく広がっておくと、その後にきちんと必要な時に縮む力が戻ってきます。
更年期は女性ホルモンに左右されない第2の身体へ変革、羽ばたくための、サナギの時期です。
無理をしないでご自身の身体の本心を認める、整えることが、今の自分と更年期後の自分の「楽な体」につながっています。
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