毎日、意識して呼吸をする時間を設けるようになりました。
「呼吸なんて無意識で出来るじゃない」と思われるかもしれませんが、いやいや、呼吸はどこまでも奥深く、意識してみると身体が変化したのを感じるので、ここに記しておきます。
まず、呼吸の前にお腹をチェックしてみます。
チェックする場所は、上丹田・中丹田・下丹田の3つです。
こちらの写真は、井本邦昭著『お腹をさわれば全身が変わる!人体力学 腹部十二調律点』の内の1ページ。
みぞおちから指3本くらい下にあるのが、上丹田
上丹田とへその真ん中にあるのが、中丹田
へそから指3~4本くらい下にあるのが、下丹田
それぞれの好ましいと言われているかたさは
上丹田:虚
吸う時も吐く時も力が入っていないのが良い。目安は丸めた掌の中心くらいのやわらかさ
中丹田:冲
息を吸う時は力が集まり、吐く時はやわらかいのが良い。目安は掌の手首に近い手根部の弾力
下丹田:実
吸う時も吐く時も、力が満ちているのが良い。目安は手の甲のかたさ、上腕の力こぶくらいのかたさ
意識して触れてみると、最初は悲しいくらい「虚・虚・虚!」でありました。
特に下丹田はずぶずぶです。
この3点を触れている時、「そういえば…」と思い浮かべたのは仏様のお腹です。
この記事の一番上に、法隆寺所蔵の夢違観音の写真を載せましたが、仏様のお腹は下腹が充実しています。
白鳳期の仏像は肉付きがよくふっくらしているものが多く、高校時代の日本史の資料集で見ては何故かとても良い気分になったのですが、やはり仏様は下腹に気が満ちているのだな、と思います。
お腹を確認したあとは、静かな環境で正坐をしてゆっくり呼吸を行います。
呼吸法はこちらを参考にしています⇒
深息法は、陽気を取り入れる、という意味では朝、日の出の方向に向かってやるのが良いそうです。
ただ、こちらのブログに記して下さっている正式の深息法は本当に難しいです。
1カ月ほど毎日練習していますが、道のりはかなり遠いです。
それでも、みぞおちをかたくしない、脇腹を落とす、ゆっくり時間をかけて呼吸するというのを日々意識してやってみると、身体に変化が起きてきました。
まずは、下丹田に力が入ってきたこと。
悲しい程ずぶずぶだった下腹に力が入っていくようになりました。
そうすると、気が上がらなくなる=焦らなくなる、どっしりと構えられる、慌てなくなる、不必要なものに踊らされなくなります。
今まで、ずいぶんと気が上がっていたのだなぁと実感します。
また、平常時と違うことが起きても、まずは下丹田に気を満たす、脇腹を落とすということを意識するようになり、必要以上に慌てなくなりました。
次に、反り腰がなくなり、小尻が上がったこと。
膝の自然な曲がりができたこと。
「良い姿勢をしてみて下さい」と言われて、意識して良い姿勢を作った時、私は膝がぴーんと伸びて、下腹を引っ込めるかわりに反り腰になる、ということが起きていました。
立禅をするオステオパシーの方に身体を見て頂いた時に、
「膝はそんなに真っすぐでなくて良いですよ。腰もそれでは負担がかかりますね」
とアドバイスを頂き、言われた通りに膝と腰から力を抜いた時に、自分としてはすごく心もとない立ち姿勢になったのです。
それが呼吸を意識するようになってから、膝の力が抜けて自然な曲がりが生まれ、反り腰でないのに、とても安定して立てるようになりました。
また、お腹周りに力が集まっている為、小尻が上がり、歩く時に上体がふらふらすることも減りました。
安定した骨盤周りがあるおかげで、不必要な力が抜けて、安定して立ち、歩くことができるようになったのだと思います。
これらはとても嬉しい変化でした。
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